バスクリン社が別府で地域課題解決!?
地域企業や学生と一緒に”別府温泉の未来を考える”ワーケーション

別府 ONSEN アカデミア実行委員会(実行委員長:長野恭紘)では、「免疫力日本一宣言」に向け、 「腸内細菌検査」を活用して温泉の効果を医学的に検証・発信する取り組みを進めています。

その取り組みの一つとして、「別府ONSENアカデミア2022ワーケーションモニターツアー」参加企業である株式会社バスクリン(以降、バスクリン社)と、地域で温泉振興に取り組んでいる方々や地元大学生が「温泉文化を持続可能にするために」をテーマに地域課題解決策を考えるワーケーションプログラムを6月19日(日)〜6月25日(土)の期間で実施しました。
この地域課題解決型ワーケーションを通じて、どういった地域課題の解決方法が考案されたのか、詳しく見ていきましょう。

目次

なぜバスクリンが別府でこの活動を?

出典:別府市

2017年、別府市とバスクリン社は「人々の健康と地域社会の発展に寄与すること」を目指し、包括連携協定を締結。併せて、別府市旅館ホテル組合連合会とも協定を結び、新製品の開発及び販売に関する共同企画を進めています。

今回のワーケーションは、別府ONSENアカデミアの開催に合わせて、独自の健康データ取得を目的に実施されました。また、バスクリン社はワーケーション自体も初めての試みで「ワーケーション実施の体制作りも検討したい」とのことです。

別府を知るワーケーションの過ごし方 

1週間の滞在期間のうち、地域課題に取り組むプログラムは2日間あり、それ以外の時間はリモートワークにあてられました。仕事を行った場所は、別府八湯のなかでも特に人気のある鉄輪・北浜エリアや、参加者の宿泊施設などです。

コワーキングスペース「a side-満寿屋-」でのワーク

a side-満寿屋-(アサイド マスヤ)は、鉄輪にある元湯治宿を改装してできたコワーキングスペース。建物内には8つのテーブル席をはじめ、脚を伸ばせるソファ席やミーティングスペースなどもあります。

皆さん、パソコンに向かって資料を作ったり、電話をするために外に出たりと、普段通りのお仕事をされていました。
なかには「この後の地獄蒸し料理が楽しみだから」と、いつも以上に集中された方も。

地獄蒸し工房 鉄輪でランチ  

昼食で訪れた場所は、温泉の蒸気で蒸した料理を味わえる「地獄蒸し工房 鉄輪」です。
ここで食材のセットを購入することもできますが、自ら食材を揃えて持ち込みすることもできます。

食材をのせたザルを地獄蒸し釜に入れ、蓋を閉めて10分ほど待ちます。
蒸気は約100度に達するので、火傷しないよう耐熱のゴム手袋が欠かせません。
塩分を含む温泉の蒸気で一気に蒸すため、食材本来の旨味を感じられるのが地獄蒸し料理の特徴です。

今回振る舞われた料理の中には、a side-満寿屋-のスタッフが別府の飲食店とコラボして作ったビジネスパーソン向けのメニューも。「疲れ目・肩こり」や「二日酔い・胃もたれ」など、症状別に効果があると言われる食材が使われています。

大分県 協和杵築農場の「蘭王卵(らんおうたまご)」で作った地獄蒸し卵は、半熟トロトロで大好評。

「キャベツやカボチャが甘かった!」「何もつけなくても素材の味が引き出されていて美味しい」など、皆さん舌鼓をうたれていました。
市販の焼売も地獄蒸しすることで、普通より2倍3倍と美味しくなる気がします。

お宿での過ごし方

宿泊先では、バスクリン社独自のワーケーション時のデータ取りをしながら、畳の部屋に集まってリラックスした環境でグループワークをしたり、個別での作業を進めたりと、思い思いの時間を過ごしていました。

地域課題解決プログラム【前半】
地域の温泉を守る取り組みを知る in 寿温泉

別府大学学生「温泉の文化・歴史を残していきたい!」

今回のワーケーションのメインプログラム前半戦は、重光宏哉さん(別府大学 史学・文化財学科3年)、前田幸汰さん(別府大学 史学・文化財学科3年)からの「地域の温泉を守る取り組み」に関する事例説明。
バスクリン社からは、バスライフ推進部長の東原好克さんと、つくば研究所フェロー博士の石澤太市さんが参加され、学生たちの話を熱心に聞いていました。

重光さんと前田さんは、学生有志と大学近くの共同温泉「前田温泉」の清掃活動を続けています。2020年10月から取り組み始めた重光さんは、前田温泉を中心に複数施設の清掃を行い、現在では通算1200回を超えるまでになったとのことです。
そのほか、地域の温泉をより広げるための企画として、以下のような取り組みを行ってきました

  • いい風呂の日には「学生無料DAY」
  • 冬至にあわせ、湯船にザボンを入れて「ザボン湯」
  • 大学の授業「温泉学概論」で共同温泉の清掃活動を紹介

「1回100円で入ることができる共同温泉を残して、多くの人に体験してほしい」と、バスクリン社の方々に熱く語られていました。

一方で、課題もまだまだ山積みだそうです。

  • 自分たちが卒業後、次世代への引き継ぎをどうするか
  • 温泉組合の高齢化が進んでいること
  • 若者の温泉離れ

このように、現状や今後の課題点などが挙げられていました。

温泉愛好会の抱えている課題を明確にするため、バスクリン社からはビジネス視点での質問がありました。

  • 各共同温泉の運営体制について
  • 日にどれくらいの人が訪れるか
  • なぜ若者離れが進んでいるのか

ここでの意見交換を踏まえて、後日行われる地域の方々とのディスカッションに臨みます。

別府大学広報室の石川さんも、「地元大学として、別府に住む8,000人の大学生たちが、より温泉に注目して、課題解決に取り組んでいく仕組みづくりをしていきたい」と語っていました。

プレゼンをした学生たちの感想

今回のプレゼンで一番伝えたかったことを重光さん、前田さんに聞いてみました。

「コロナで希薄になってしまった人の繋がりを温泉を通じて増やしていきたい
「今の体制では1日でも温泉をお休みすると金銭的に運営が立ち行かなくなってしまうため、大規模な清掃やリフォームもなかなか取り組むことができない。スポンサーになってくれる企業が出て来てくれると非常に嬉しい」

とあふれる想いを話してくれました。

百聞は一見に如かず!共同温泉の清掃体験

別府大学温泉愛好会の重光さんからレクチャーを受けながら、バスクリン社の東原さんと石澤さんが率先して、デッキブラシで清掃していました。

共同温泉はシャワーや専用の洗い場がないため、みんな湯船を囲むように座り込み、頭や体を洗います。そのため、「人がよく座る位置を重点的に清掃することが大事」とのことです。

脱衣所のロッカーは下面だけでなく、左右と上部まできっちり雑巾で拭きます。足元のすのこも持ち上げて、埃や砂などを取り除きます。
この作業をするたび、落とし物のお金が100円くらいは出てくるそうです。

綺麗になったところで皆さんで記念撮影。
気温が高かったうえ、温泉の蒸気で湿度も高いなかで作業をしていたので、みんな汗だくになっていました。

清掃を終えたおふたりの感想

実際に温泉の清掃をしてみた感想を東原さんと石澤さんに聞いてみました。

「いやー大変だった。これを毎日していると考えると本当によくしてくれていると思います。また、温泉を動力で引く費用や定期的なメンテナンスなど、金銭面の問題の大きさも知りました」

おふたりとも、地域の温泉を守っていくうえでの問題を真摯に受け止められていました。

地域課題解決プログラム【後半】
地域の関係者とディスカッション「温泉文化を持続可能にするために」

地域課題解決プログラムの後半戦は、北浜エリアにあるコワーキングスペースLinkで行われました。
ここでは、バスクリン社だけでなく、地域の観光や温泉の運営を支える事業者、大学生、地域とも関わりの深い大塚製薬株式会社が参加。
若い世代が共同温泉に行きたくなるには、どのような取り組みが可能か、さまざまな視点から検討しました。

参加者

■地域
花田 潤也さん(ゲストハウスIn Bloom Beppuオーナー・ONSENアカデミア実行委員)
塩見 泰美さん(有限会社サンエスメンテナンス・ONE BEPPU DREAM AWARD2020ファイナリスト)
後藤 真由美さん(別府市観光課)

■企業
株式会社バスクリン 4名
東原 好克さん(バスライフ推進部長)
石澤 太市さん(つくば研究所フェロー博士)
西尾 晋尚さん(販売戦略課マネージャー)
佐藤 光さん(販売戦略課マネージャー)

大塚製薬株式会社 2名
藤浦 健人さん(ニュートラシューティカルズ事業部 福岡支店 大分出張所 所長)
岩本 凱文さん(大分出張所 営業課)

■学生
山田 笑莉さん(立命館アジア太平洋大学2年生) 
重光 宏哉さん(別府大学3年生・別府大学温泉愛好会) 

■ファシリテーター
魚返 将和 (B-biz LINK 地域ビジネスプロデュースチーム)

課題ブレインストーミング

まずは課題ブレストということで、共同温泉が抱える課題についてそれぞれポストイットに書き出していきます。

  • 温泉組合員の高齢化に伴う減少
  • 建物が古い
  • 一緒にお風呂に入ることへの抵抗感
  • 共同温泉の入浴マナーを知らない
  • スパポート(別府八湯温泉道のスタンプ帳)の販売場所が少ない
  • 温泉の魅力が伝わっていない
  • 健康に関心がない
  • 温泉の成分や効果がわからない
  • 清掃する人不足

などが挙げられました。

課題の共有・発表

続いて、各々が書いたポストイットをホワイトボードに貼っていきますが、類似した課題はまとめて貼り、グループ分けしていきます。
お互いに書いた課題について共有しながらまとめていきました。

解決策ブレインストーミング

抽出・グループ分けした課題点はどうすれば解決できるのか、それぞれが思う解決策をポストイットに書き込んでいきます。
1人10枚以上書いたのではないかというくらい、たくさんの意見が出ていました。

解決策の共有・発表

  • インフルエンサーやSNSの活用
  • 市長×インフルエンサー
  • インスタ映え
  • 温泉のスタンプ帳「スパポート」を大学の入学式で配布
  • クラウドファンディングで施設の修繕
  • 学生が関わりたいと思えるイベントや企画
  • 企業に温泉の名前を貸すネーミングライツ

など若者の意見がかなり反映された解決策が多く出て来ました。

最後にみんなで温泉マークを手で作って記念撮影。

地域の関係者とディスカッションの感想

企業

ディスカッションを振り返って一番盛り上がった議論の内容についてバスクリンの東原さん、大塚製薬の藤浦さんに伺ってみました。

バスクリン 東原さん
「後継者問題ですね。やはり学生のみで継続させていくのは難しいので、地域全体で考えていく必要があります
例えば、温泉特区を作り、共同温泉の周りに学生や地域の方が特別安く借りることのできる風呂なしアパートを作る。そこに住む方々が共同浴場を利用し、学生さんだけではなく地域の皆さんが中心となって温泉を守っていくなど、仕組みづくりではないでしょうか」

大塚製薬 藤浦さん
「地域のなかで温泉をどう活かしていくかということです。学生の意見で“別府にいても入らない”、“安くても入らない”などあったなかで、どうしていくべきかは難しかったです。また、温泉を動力で汲み上げるため、経費が多くかかってしまうことを初めて知りました」

地域

地域として、今後の取り組み方について塩見さん、後藤さんに伺ってみました。

サンエスメンテナンス 塩見さん
「これだけ動いてくれている若者がいるわけですから、いかに地域と若者や観光を結びつけていき、次の世代へバトンタッチしていけるか検討していきたいです」

別府市観光課 後藤さん
「学生が関心を持ってくれるような取り組みを考えていきたいです。また、今回の重光さんのような学生がシンポジウムなどで発表する場を作っていきたいと思います」

学生

ディスカッションが終わり、清々しい表情をされていた重光さんにその心の内を聞いてみました。

別府大学 別府大学温泉愛好会 重光 宏哉さん 
「今回のように発表できたり、議論できたりする場があると”続けて来てよかったなぁと強く思いました。別府の温泉文化や歴史をこれからも残してための取り組みを続けていきます」

バスクリン社のワーケーションに対する感想

1週間、別府でのワーケーションを体験されたバスクリン社の方々に普段の働き方との変化について聞いてみました。

普段よりメリハリが出た働き方ができたと思います。別府らしいお昼ご飯や、定時後の観光など小さな目標と楽しみがあるので、それまでに仕事を終わらせようという気持ちになりました。また、会社ではあまり交流することがない人とも交流できたこともよかったです。
今回はデータ計測のため、1ヶ所の温泉しか入れていないので、次回いろんな温泉に入りに来たいです」

地域を知り、自らの役割を考えるワーケーション

今回は、「地域課題解決型ワーケーション」をバスクリン社に体験していただきました。

地域の実情を知り、また実際に解決しようと動いている学生や事業者との交流・ディスカッションを通じて、さまざまな取り組みの可能性が見えてきました。

企業が外からの視点で地域の課題を見つめ、その解決策をともに探るということは地域にとっても大きなメリットです。また、企業にとっては、地域との交流が人材育成や新規事業創出のきっかけになるなどのメリットがあると言われています。

ぜひ皆さんも別府で地域と深く関わるワーケーションを実施してみませんか?

ワーケーション自体が初めてであっても、ワーケーションコンシェルジュが企業様の目的にあったプランをご提案させていただきます。

問合せ先 (一社)別府市産業連携・協働プラットフォーム B-biz LINK
TEL:0977-76-5205
Mail:info@b-bizlink.or.jp
HP:https://www.b-bizlink.or.jp/

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